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腎臓病の重症度判定

IRIS (International Renal Interest Society  国際獣医腎臓病研究グループ)による分類表です。

         クレアチニン(mg/dl)         BUN       残っている腎機能
ステージ    犬         猫

  1    1.4以下     1.6以下      異常なし       100 ~ 33%

  2   1.4~2.0   1.6~2.8     軽度上昇         33~25%

  3   2.1~5.0   2.9~5.0     中等度上昇        25~10%

  4    5.0以上     5.0以上      重度上昇         10%以下
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ヘリコバクター ピロリ

ピロリ菌といえば、ヒトの胃炎~胃癌の原因菌とされ有名ですが、この菌、実は犬の胃にも存在してヒトと犬で相互に感染することがあることがつい先月の獣医内科学アカデミーで発表されました。

胃潰瘍を持つ一頭の犬と無症状のもう一頭の同居犬と飼い主さんの胃に同じ型のピロリ菌が検出されました。
ヒト、2頭の犬と3つの個体が別々に同一ピロリに感染したとは考えにくく、飼い主さんから2頭の同居犬に感染したと考えられます。
これは「飼い主さんから感染した犬の胃内のピロリ菌が、他の犬や他のヒトにも感染させる」ということも示しています。

ピロリ菌は唾液にもいますので、いくらかわいいとはいっても、口うつしやキスをするとかはせず、ペットとは節度あるお付き合いをするようお願いします。

もう一つ、ペットとの共通感染症として注目されているのが、ピロリ菌の仲間であるヘリコバクター ハイルマニイです。
犬の胃や唾液にはピロリ菌の感染頻度は少なく、ハイルマニイは70~80%と言われています。
ハイルマニイは菌体も大きく、胃壁の深い所に住み活動性もより活発で、人に胃癌を起こす強さはピロリよりもハイルマニイが7倍強いと言われています。またハイルマニイのウレアーゼ活性は弱陽性~陰性ですのでピロリ検査で行われることがある呼気での検査法では検出しずらいです。

ピロリ菌とハイルマニイ菌は同居を嫌い、どちらか例えばピロリがいるとハイルマニイは感染しません。
2013年からヒトの医療でピロリ菌を除菌することの保険適用がやさしくなり、ピロリ菌の除菌が広く行われるようになり、ピロリ菌陰性の方が増えています。
ピロリ菌を除菌すると、こんどはペットからのハイルマニイ菌が感染する可能性がでてきます。
どうかペットとは節度あるお付き合いをお願いします。

なお、猫のヘリコバクターピロリ感染はいまのところ報告はありません。報告がないこと、すなわち感染しない という意味では決してなく、猫にも広く分布していると考えられています。

健康診断しましょう

元気な時こそ健康診断を!!

ご相談ください。

キシリトールにご注意

最近見かけませんがテレビCM等で、歯に良い とか歯のために とかの理由でキシリトールガムを勧めていたりするのを以前はよくみかけました。
また、スーパー等でキシリトール入りのガムを販売しているのもよく見かけます。
愛用されている方もいらっしゃるのでは?と思います。

我々人間には、虫歯予防とか良い効果ももたらしてくれるキシリトール(糖アルコール)ですが、
ワンちゃんには、だいぶ話が異なります。

キシリトールは糖ですが、ブドウ糖ではないので、人間では食べてもインスリンは分泌してきません。
ところが、ワンちゃんはキシリトールを食べると、「糖が入ってきた! 血糖値を下げなくちゃ!」とインスリンを分泌してきます。
つまり、ブドウ糖とキシリトールを間違えて混同してしまい、キシリトールが入ってもブドウ糖が入ったと間違えて判断してインスリンを分泌して血糖(ブドウ糖)値を下げようとします。
しかしブドウ糖ではないので、過度のインスリン分泌によって血糖値は異常に低下してしまいます。

血糖値の低下の程度にもよりますが、意識の低下、脱力、昏睡、けいれん、さらには肝障害をおこす可能性もあり、急速に死亡へと向かいます。

10Kgの犬で、キシリトールガムたった2個でも中毒することがあります。
キシリトール中毒の毒性は、この低血糖によるものですから、同時に他の食べ物や砂糖(砂糖はブドウ糖と果糖が結合したものです)を食べていれば中毒はかなり緩和されます。

どうかワンちゃんにはキシリトールを与えないようくれぐれもご注意お願いします。

キシリトール中毒症状の多くは30分以内に始まります。
そして万一食べられてしまったら、元気なうちにできればフードを与え、動物病院にご相談下さい。

猫へのキシリトールの影響はまだわかっていません。

便秘 (巨大結腸症)

長い間、ウンチを少ししかしてこなかったネコちゃんです。
かわいそうにあまり食べなくなり、時々嘔吐していたとのことです。

おなかを触診すると前の方まで続く大きく膨らんだ結腸が触れ、中にあるウンチは硬そうです。
便秘であることは触診だけでも充分様子がわかるのですが、他の異常の有無、骨盤の変形の有無を確認するために腹部のレントゲン検査をしました。

Constipation2.jpg

赤の点線の内側が結腸で、内部にもしゃもしゃあるのがウンチ、詰ったウンチによって径が大きくなった直腸が横隔膜の方まで続いているのがわかります。
骨盤に緑の線を引いておきましたが、緑線の長さが骨盤腔の横径で、丸い穴に見える骨盤腔を通ってウンチは出てきます。
ところが、結腸にウンチが溜まりすぎて大きく広がってしまい、青線の幅まで結腸(=ウンチの太さ)は薄く広がってしまい、それより狭い骨盤腔を通過するのはかなり困難であることは容易にわかると思います。

このように、大きく拡がって収縮力も弱まってしまった結腸を「巨大結腸症」と呼びます。
原因としては、
先天性:生まれつき結腸の一部が狭く、そこで便通が悪くそれよりも前方が押し広げられてしまったものや、結腸の蠕動運動を調節する自律神経系に先天的な異常があるもの等。
後天性:病気や事故によって、自律神経に異常が生じ、蠕動運動がうなくいかず、便を停留をさせていたり、骨盤骨折のために周囲組織が損傷したり骨盤の物理的な変形のために便が通過が困難になったもの。
特発性:これといった原因もなかったのに、長い間便を滞留させがちにしていたために便が結腸を拡張させ蠕動運動もうまくいかなくなってしまった。
等、原因は様々ですが、下剤や浣腸でも改善しずらい重症便秘が特徴です。

治療には、
1.浣腸や下剤により排便を促したり用手による摘便。その状態によっては逆に症状を悪化させてしまう可能性もありますので、自己判断は禁物です。
2.食事療法:便秘になりにくい食事を与えますが、これも食物繊維の摂取により便の体積を増加させ、症状を悪化させることがあります。
3.外科手術:停滞してしまった大量の便を開腹により全部取り出し、長い間便の停滞により薄く拡張し、蠕動運動機能も麻痺してしまった結腸部を摘出します。特に重症例では術後下痢になることもありますが、多くは回復してきます。
プロフィール

院長 黒須 幸雄

Author:院長 黒須 幸雄
日々の診療の中で苦労した症例や飼い主様に知っていただきたい病気のこと、病院の出来事、診療とは関係ないお気楽なことなど拙い文章で申し訳けありませんがエッセイ風に書いてみました。

まだまだ少ないですが、ゆっくり増やしていこうと思います。

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